原一札幌支社・取材記5

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2017年2月9日に原一探偵事務所・札幌支社を訪問取材した時のインタビュー記録のつづきです。

北海道における家出人捜索について、現場の探偵の生々しい話が読めます。

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道内での家出人捜索について-3

私: 次に家出人捜索についてお伺いしましょう。前回、K部長から発見場所はススキノが多いと聞きましたが…

H次長: そうですね。中央区のネットカフェやパチンコ屋が多いです。雨天時は地下でもよく見つかります。

ススキノのネットカフェ

【ススキノのネットカフェ(昼)】

ネットカフェはパソコンも使え、漫画も読み放題な個室なので家出人には快適。

S支社長: 本州から札幌に来た家出人ならまずススキノです。ホテルを泊まり歩けるお金を持っている場合は別ですが。
発見したら家族と引き合わせるわけですが、本州の人の場合、家族の到着に膨大な時間がかかるので、こちらも大変です。到着まで24時間、気づかれないように監視ですよ。家出人を確保する権限はないですからね。

すすきののネットカフェ(夜)

【すすきののネットカフェ(夜)】

ネットカフェは、ベッドはないが、仮眠には十分。安価に宿泊できて、シャワーまである、家出人には理想の安宿。

O係長: 友人宅に転がりこんでいるのが発見されることもあります。家族を呼んでその家を訪ねさせるのは、逃げられる可能性があり、危ない場合もあります。探偵が行っても引きずり出す権限はありません。
その場合、警察の力を借ります。「○○君がここに来ているという通報があった。中にいるね?ちょっと出てきてもらって」と呼び出してもらってから家族と引き合わせるわけです。

私: 家出人捜索で困ることが多いのは?

Sn係長: 写真ですね。写真を頼りに探すわけですが、もらった写真と似ても似つかない姿で発見されることも多い。写真は真面目そうなセーラー服なのに、現状は金髪派手メイクのギャルとか。
まあ、それぐらいならいいですが、ずいぶん昔の写真とか、クラスの集合写真でとても小さく写っている写真しかない、とかも多いです。
案外、困るのが笑顔の写真です。よく笑っている写真は素の顔が推定しにくいのです。

S支社長: 子供の最近の写真を持っていないというのは、家出が起きやすい親子関係の現状を象徴しているとも言えます。

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私: 関東の家出人と違う特色はないですか?

S支社長: 車を使った家出が多い点でしょうね。関東ではこれは少ない。車を使った家出の場合は車に焦点を当てて探します。道の駅とかパチンコ屋とか。北海道はどんな田舎に行っても、パチンコ屋・しまむら・アヴェイルの3つは必ずありますから。

ススキノのパチンコ屋

【ススキノのパチンコ屋】

パチンコ屋も家出人がよく行く場所。北海道人はパチンコが好きで、大都市はもちろん、どんな片田舎にもある。

私: 男性成人の場合、自殺率が高く、自殺目的の場合は懐かしい場所を旅してから決行する傾向があると聞いています。
しかし、「懐かしい場所」といっても候補はたくさんあるじゃないですか?子供時代を過ごした街なのか、大学のある街なのか、はたまた新婚旅行先なのか?
時間の猶予がない中でどうやって優先順位をつけるんですか?

S支社長: それはご家族の話を聞けば、経験の蓄積でなんとなく判断できるんです。

私: しかし、家族が誤解している場合もありますよね。親は最大の想い出の場所はA町だと思い込んでいるが、当人が一番愛しているのはB町だ、とか。

S支社長: いや、むしろご家族が思い違いをしているケースの方が多いですよ。それも話を聞いていけば高確率でわかるんです。「お母さんはここだとおっしゃるが、むしろこちらの方が可能性が高いんじゃないですか?」という風に絞り込んでいくことも多いです。

新千歳空港構内

【新千歳空港構内】

計画的な家出でお金を持っている場合、空路で東京などに向かう家出人もいる。逆に家出して北海道にやってくる人も。

私: ほお、そういうものですか?しかし、自殺の危険があるかどうか自体、判断が難しい場合もあるでしょうね。

H次長: 自殺の危険がある場合、やはり何らかの兆候を残しているものです。非常に明確な兆候を残していた例もあります。車の中に家族への贈り物が残されていました。奥さんや子供が欲しがっていた物がギフトラッピングされていたのです。あれは胸が潰れました。

私: やはり「危ないかも」と思ったら、早めにプロに捜索を頼んだ方がよさそうですね。いや、本日はインタビューに応じていただき、ありがとうございました。

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この後、浮気調査の話の中ででてきた札幌市西区のホテル街に連れていってくれました。

住宅地の中に忽然と現れるその場所は、秘密の逢引きにふさわしい場所でした。

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