冬の北海道の探偵調査

探偵目線で北海道の四季を追うこのシリーズ、今回は冬です。有名な原一探偵事務所の札幌支社から情報をいただいて執筆しています。
以前、札幌支社の立ち上げに関わり、長く勤務した探偵さんが寄稿してくれました。

原一探偵の基本料金半額クーポンはコチラ

北海道は半年は冬と言っても過言ではありません。10月~4月までは雪が降る季節です。

北海道の市街地の初雪は大体10月位となります。北海道の初雪で一番早いは大雪山で9月の半ば位に降る事が多いです。

探偵の車両は追尾で雪の早い地域に行く可能性があるので、早めにスタッドレスに履き替えます。

調査車両の冬装備

【調査車両の冬支度】

タイヤはスタッドレスに交換(左)、ワイパーも冬用に交換(中央)、ウォッシャー液は凍らない寒冷地用のものに。(右)

12月になると根雪と言って、降ったら春まで解けない雪が降ります。雪が解ける気温まで上がらないからです。

探偵は、雪の中での走行、長時間の張り込みなどで車に何が起きても対処できるよう、必要な装備を搭載しています。

冬季の車内装備

【冬季の車内装備】

レーキ、長靴、折り畳みスコップ、ポーチの中に牽引ロープとバッテリーコード、そしてスタックヘルパーと停止表示板。

停止表示板とペットボトル水

【ペットボトル水と停止表示板】

ペットボトルは、非常時用の飲み水を車内に保管しているもの。圏外の山で埋まって遭難した等の緊急事態への備えです。
停止表示板は通常、故障時に使用するものですが、高速道路等で張り込み場がない場合に故障のふりをして立てることも。。

北海道では日常では渋滞はおきないですが、雪が降ると市街地の幹線道路等では渋滞が発生します。住宅街でも雪によってすれ違いが出来なくなり交通が不便になり、追尾も高い技術と経験値が必要となります。

すれ違えない車

【すれ違えない車】

除雪した雪山が車道脇に積まれて幅員が狭くなり、車がすれ違えないという場面。
尾行時は狭い道に入った時はこの場面を想定しなければ失尾する恐れがあります。

雪が積もると除雪され、路肩に雪を貯めていきます。道路は狭くなり、積上げられた雪で視界も非常に悪くなります。車両で張り込みをする場合では停める場所も少なくなり、視界も悪くなりやりづらい季節です。

除雪を積み上げた「壁」

【除雪を積み上げた「壁」】

この「壁」のせいで、道幅が狭くなって尾行に支障が、見通しが悪くなって張り込みに支障が出る。

因みにいくら雪が積もってもマンホールだけは温度の関係で露出します。その為、デコボコ道になってしまいマンホールの位置を素早く認識しないと激しい揺れやパンクを起こしてしまいます。

タイヤと車体間の雪の詰まり

【タイヤと車体間の雪の詰まり】

これは初期段階ですが、もっと詰まるとハンドルが回りきらなくなり事故の元となります。

当たり前ですが寒いです。非常に寒いです。マイナス10度ともなれば皮膚が露出しているだけで痛くなります。我々はそれでも外で立って張り込みをしなければならない事もあるので、防寒には非常に気を遣っています。

寒いでは済まずに、凍傷等の重大な危険にさらされてしまいます。

雪の堆積場

【雪の堆積場】

除雪された雪が集められる場所。本州の人には馴染みのない施設。凍てつく北海道では春遅くまでここに雪が残る。

余談ですが、私が調査している時に対象者が山間部の温泉に行った際に、満室で我々の部屋が取れずに、マイナス15度以下の中一晩外から張り込みをしなければならなくなりました。

雪が降っていたので、マフラーに雪が積もると一酸化炭素中毒の危険がある為、エンジンをかけっぱなしには出来ず、毛布に包まりながら張り込みをした事があります。

雪に埋もれた車

【雪に埋もれた車】

車はすぐ雪に埋もれ、マフラーが塞がれる。そのため、降雪時は長時間の張り込みでも暖房が使えないことがある。数日も放置すれば、車はすっぽり覆われて、車なのか雪塊なのか判別できなくなる。

夜でも雪の反射により明るく道路が白い為、黒い服を着た人が歩いていると非常に目立ちます。我々も常に目立たずその場にあった服装を選びます。

また、足跡がつくので、対象者の自宅の状況の確認などをするときは足跡を消しながら歩かなければならない事もあります。

雪が降り続いていれば足跡もすぐ消えるのですが、雪が止んでいる状態では最新の注意で歩かなければなりません。

スキー場の観光客

【スキー場の観光客】

ウィンタースポーツのスポットも、浮気デート先になりうる。

また、北海道の雪、特にニセコは雪質が良いと言われている為、道外や海外からもウインタースポーツを楽しみに来ます。ニセコに別荘を持つ人は外人も含め非常に多いです。

人探しの案件では道内の地方から札幌市、特にすすきのに集まってくる傾向が強いです。

関東と違い雪でも交通機関には影響は起こりにくく、電車も高速道路もよほどの事がなければ止まる事はありません。

路面に雪が積もっている状況でも100キロ以上のスピードを出して走る人がざらにいます。

運転技術と多くの経験がなければ雪道での追尾は成功しません。

危険なアイスバーン

【危険なアイスバーン】

アイスバーンの上でもスピードを落とさないクレイジーな対象を、命がけで追わねばならないこともある。

降っている雪プラス、積もった雪が風で舞ったりするホワイトアウトという現象は視界が全く見えなくなります。その様な場合でも追突の恐れがある為、安易に車は止める事が出来ないです。追尾も非常に困難なものとなります。

ホワイトアウトの兆し

【旭川の樹氷】

北海道ならではの美しい冬景色。ホワイトアウトの兆しが見られる。

因みに服装は北海道の人だからこれを着る等は殆どないです。その為、観光客との区別がつきやすいです。スキーウエアの様なアウターを着ていたり、雪で傘をさすような人は観光客や外国人です。

冬には雪まつり等のイベントもあり、外国人の観光客が増えます。特に中国人観光客は多いです。

そりで運ばれる子供

【そりで運ばれる子供】

北海道の小さいお子さんをお持ちの方はソリにお子さんや買い物袋を載せて歩きます。本州では積雪のある地域でもあまり見られない習慣。

北海道の人は雪が降っても傘をささないでフードを被ったりして対応します。
温度が低く、さらさらした雪なので、本州の雪のように溶けて服が濡れたりはしないのです。
靴も雪道で滑らないように靴底に凹凸があるものを選ぶ程度で、登山靴めいたものを履くわけではありません。(子供にはスパイク靴を履かせることがありますが)

こうしたことは道外からの対象者を識別したり、地元の人間を装ったりする上で重要な知識です。

怪しまれずに調査するために、探偵は地元の習慣に細部まで精通していることが大切。豪雪・厳冬の中での運転だけでなく、こんな地味なところにもにわか仕込みでは追いつけない難しさがあるのです。
冬季の北海道の調査は、本州からの出張探偵には無理です。

原一探偵の基本料金半額クーポンはコチラ