結婚詐欺の動向
従来は、結婚詐欺といえば婚期を逸した女性が引っかかるものでした。
しかし、最近は男性ターゲットの結婚詐欺も増加しています。
女性に奥手な中年男性の場合、仕事にまじめであれば、遊ばない分、数百万レベルの貯金は持っているものです。
結婚相談所、婚活パーティなどで知り合って、学費が必要などと偽って、短期間にその貯金全額をだまし取る女性がいます。
それが詐欺で終わらず、連続殺人にまで発展した事件もありました。(木嶋佳苗の首都圏連続不審死事件)
また、遺産目的で高齢男性と結婚する「後妻業」というものも出現しています。
珍しい結婚詐欺の手口としては、SNSで知り合った外国人が送金させるものもあります。
一度も会ったことがないのに、チャットだけで結婚を確信させ、家族が病気、渡航費用が必要、などと偽って送金させるのです。
結婚詐欺の手口
結婚を悲観している30代40代の女性のもとに、ある日ありえないほど素敵な男性が現れます。
結婚相談所や婚活パーティーがきっかけの場合が多いですが、日常生活でさりげなく知り合う場合もあります。
ブランド物で身を固め、高級車に乗り、高収入で知的な仕事をしています。
いくらでもいい女ができそうな男性ですが、なぜかあなたを気に入ってくれ、早い段階から結婚を匂わせてきます。
しかし、非常に多忙なようで、あなたに会う時間は限られており、しかもなぜか自分の部屋には呼びません。
いつも高級なお店で奢ってくれるのですが、ある時、彼がお金に困る事情が発生します。
やむを得ない事情だし、一時的な資金不足なので、あなたは「私のお金を貸しましょうか?」と提案します。
ここで必ずあなたの方から言い出すように仕向けるのがプロの技です。
最初は遠慮したり、借りてもすぐ返して信用させたりします。
しかし、やがてあなたから大きなお金を借りる機会が増えていきます。
あなたは「騙されてない?」という不安が時々心をよぎりながらも、決してそれを認めません。
友達や親に忠告されても、激怒して否定します。
疑うことで彼の愛と結婚を失いたくないし、騙されていると認めたら、貸したお金も費やした時間もすべてムダだったということになるからです。
そして、あなたの中で貸し出し金への不安と結婚への焦りがピークになった頃に、彼は突然、姿を消します。
「やむを得ない事情」があるといい、「必ず戻るから待ってて」と約束しながら。
・・・以上は典型的な結婚詐欺の手口ですが、やや古い手口です。
今は、知的職業で高収入という設定をもっとありそうな設定にしたり、いろいろなタイプが出てきています。
騙し取る金額を一人80万円程度に抑えて数を集める結婚詐欺師もいます。
その程度の金額だったら警察沙汰や訴訟にしても割に合わないし、「本当に返すつもりが返せなくなったのかも」と思ってもらえやすいからです。
結婚詐欺をあばくには?
警察は詐欺の被害が明確になってからでないと動いてくれません。
「結婚詐欺かどうか調べてくれ」という依頼は、警察は受けられないのです。
それができるのは興信所です。
調査手法は簡単で、「行動調査」をかければ、結婚詐欺かどうかはすぐに判明します。
結婚詐欺師であれば、次のような行動が必ず観察されます。
- 自分で言っているような仕事をしている様子がない
- 他の複数の異性と日替わりで会っている
- 自宅に同居の異性や子供がいる
特に複数の異性と交際を同時進行させるのは、結婚詐欺師の特徴です。
これは現在の交際相手をしゃぶりつくす前に、次のターゲットを新規開拓しないといけないからです。
当人の説得にも客観材料が必要
結婚詐欺の調査を興信所に依頼してくるのはたいてい親です。
最近は、友達に話したら『絶対アンタのカレ、おかしいよ、一度調べてもらったら?』と言われたので、当人が依頼に来たというようなケースも出てきてはいます。
しかし、一般的には当人は交際相手のことを信じ切っており、周囲が何を言っても耳を貸さないことの方が多いです。
こういう状態の娘・息子を説得しようと思ったら、第三者が調べた客観的な証拠がなければ無理でしょう。
興信所の調査報告書がその役目を果たせます。
万が一、調査が発覚したら親子断絶になってしまいますから、その意味でもプロに任せた方が確実です。
調べてみて結婚詐欺とわかったら、子供を不幸な結婚から守れるし、調査報告書をそのまま警察に持ち込んで、被害届を出すことも可能です。
お金も、もしかしたら一部は取り戻せるかもしれません。
調査の結果、結婚詐欺ではないとわかったら、調査したことは誰にも言わず、子供の恋の行方を見守ればいいのです。